相続時の難しい判断
今あなたが住んでいる家も、マンションなども所持していた場合も、所有者が亡くなってしまうとその権利は近親者に向かう事になります。誰かが死ぬ事を喜ぶ事はできないかもしれませんが、せめてその残してくれたものを有効活用するのが、生前の所有者の方に対する手向けとも言えるでしょう。
(⇒住宅を相続する場合に気をつける事)
そんな決まりがある中、とある家庭でもこうした相続時に問題が生じてしまいました。住宅と言えば住宅ローンの支払いなどでお金にまつわる問題が多々あり、それは遺産相続時でも同じです。
今回はそんなある家庭での住宅をめぐるお金の問題について見ていきましょう。住宅ローンもある程度関係してきますので、今現在住宅ローンを払っている方も是非一度見直してみましょう。
住宅を継ぐか否か
今回のケースでは、マンションを購入した方が住宅ローン返済中に死亡してしまった場合です。住宅ローンは幸いにして保険のおかげで支払う事無く終えられたのですが、問題は住宅ローンだけではありません。
(⇒住宅ローン万が一の保険とは?)
住宅ローンの借り入れは保険で相殺できるのですが、それは本当に住宅のみに関する借り入れだけです。実はマンション所有者の方は、住宅ローン以外にも借り入れを作っており、しかもその額が相続する方からすれば、一度に用意するには難しい額だったのです。
(⇒住宅ローンがある時に借り入れを作る危険性)
そしてここからが問題です。相続というのは住宅のような経済的に価値がある物を引き継ぐだけではなく、借金のような負債も引き継ぐことになるのです。どちらか片方だけ引き継ぐ事はできず、借金を放棄するなら必然的に住宅も手放す事が求められてしまい、住宅が欲しいなら借金を背負ってのスタートとなってしまうのです。いくら近親者が残したものとはいえ、借金まで背負うというのは腑に落ちないと考える方が多いのです。
価値と負債を照らしあわせて相続を検討しよう
住宅ローンを組む場合には死亡保険に入る事が多いので住宅ローンの引き継ぎまでは心配する必要はあまりありませんが、その他の負債まではさすがに帳消しにはできません。そしてその負債は生きている方にまで残ってしまいますので、こうした経済的な価値のあるものの相続は、二つ返事ではできないのです。
こうした経済的価値があるもの、そして負債の二つがあった場合、相続前に差し引きで考えてみるのが良いでしょう。